【運をつかみたかったら5年は辛抱しよう】書評:(萩本欽一著)ダメな時ほど運はたまる

石の上にも三年

仕事を始めたばかりの新入社員や仕事を辞めたくなっている新人によく聞かせる言葉だ。


三年やれば自分の仕事がどういうものかわかり、「辛い」から「楽しい」を仕事で実感できるようになってくる。私も身近な友人も資格職なこともあり、三年やればまあいいかと思って辛くても我慢と思って互いに励まし合って乗り越えた時期もあった。


けれど欽ちゃんこと萩本さんは、『石の上にも五年』説を唱えている。

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三年間努力したり我慢すればたしかに状況は変わるかもしれないけれど、そこに「運」はないの。せっかく三年間踏ん張ったんだから、ついでにあと二年続けていれば、そこに運が生まれます。

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なぜ五年なのかは欽ちゃんの経験則なので???である。続けて次のように述べている

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テレビ番組を作るために、放送作家を育てようと思ったんです。若い人はみんな焦っていて、「今すぐ認めてもらいたい」と思ってるだろうから、そこを我慢させなきゃいけない。たぶん三年もすればモノになる。でも、それだけじゃ運が来ない。大事なのは頭のよさや才能じゃない。三年の上にもう二年足して塩漬けにすればいい作家に育ってくれるだろう。

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ここは別の箇所『人と違う行動に運がくる』にあることとつながりがあるような気がした。

この箇所では予備校に行った息子が大学受験せずに就職しようとしたことで、母親に反対されたそうですが、息子さんは萩本さんの言いつけをキチンと守っての発言だったそう。

「お父さん言ったじゃない、無駄になるようなことをしろって。周りの100人が前へ行ったら、一人だけ後ろへ行けって。予備校の仲間は皆受験するって言うから僕だけは違う道へ行こうと思ったんだよ。」

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『石の上にも五年』説も人と違う考え方、行動だから運が味方するということなのかもしれない。


同時に萩本さんの言う運とは三年ほどの短期間では味方してくれないものだとも言いたいのだと思う。そこで彼の言う運が気になったので運を英語で調べてみた。

すると、英語ではchance, fortune,luckの三つが出てくる。そのうち、chanceとluckは正確には運でなく、幸運と訳されており、fortuneだけが運・運命と訳されている。


次のようにイメージ図にしてみた。

chanceは、三年を境に自分が意図し努力したりすれば「起こせる」と予測・イメージできるもの。

fortuneはchanceの積み重なりであり、あと二年辛抱した先にある。イメージは難しくても「起こりそう」と感覚的に捉えられるもの。

luckはなん視覚的にも感覚的にも起こることが予想出来なもの。発生時期は不明で神のみぞ知る。

このように考えると、運とは先天的に持つ運だけでなく、後天的に身に着けられる運もあるとわかる。本書からは萩本さんは感覚的な人で多分に感じられるが、話に筋が通っていないことは仰っていない。運の法則に則って生き、運を味方につけてきたことを教えてくれている。


運を味方にするためにもちろん努力は必要だ。けれども、自分の思う通りに行かない時もあたる。

自分が傲慢な時、実力以上のものを得た時、棚から牡丹餅のように美味しい思いをした時。そんな時はその後にちょっぴりうまくいかないことが待っていると思って構えていた方いい。


でも大丈夫。その間はじっと大人しくして、他の人が自分の分の運を使ってくれていると思えばしばらくしたらまた自分に運がまわってくる。調子がいい時はいい、ダメな時はダメ。でもダメな時の自分を運がじーっと見ていることは、覚えておいて損はなさそうだ。

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