親から譲り受けた負の連鎖を断つ

  私の父は現在、年の半分海外に住み、悠々自適生活を送っている。

最近父が帰国したので、家に帰ってこいと言うメールが来た。が、行きたくなかった。

これから子どもが生まれ何かあった時に子どもを見てもらうこともあるだろうから、お願い

しやすいように父親にヘルプを出しておくことは必要だと頭ではわかっていた。けれど、行きたくない。


 モヤモヤしながらも、そこは大人だからと会いに行ってみた。

でもやはり会いに行って後悔した。


 理由は明白で、口を開けば嫌味ばかり言うからだ。

特に毎回会話に出るのは人をこき下ろすことを必ず言う。何回言われたかわからないが、私

は働いた経験が短いので、「大学を出たわりにろくに働いていない。」「いいな、お前は旦

那に養ってもらって、金食い虫だな。」「(妊娠していること、待機児童問題は脇に置き)

お前はいつになったら働くんだ。」と会うたびに言われる。


 パートナーとの顔合わせの時にも、結婚式の挨拶の時にも同じことがあった。内容は違う

けど、「出来の悪い娘であること」を人様の前でわざわざ発表してくれた。


 会うたびに嫌味を言われる。そうすると気分が悪くなる。だから会いたくなくなる。


そういうループが父に対して自分の中で出来上がっているので、やっぱり結果通りに嫌な気

分になって帰るという結末にいつも陥る。


 でも自分も人のことは言えない。気に障ると文句を言うことがある。自覚している以上に

ある。ちょっとしたことで気になり、ついつい口に出したくなる。

「○○(私)のそういうところはお父さんにそっくり。やっぱりあの人の子だなあ。」と母に

言われたことがある。また母自身も、自分と私が似ている部分をわざわざ口にすることがあ

る。

 

親に似たのだからしょうがない。そう思って気にせず生きていければそれでいい。でもいち

いち気に障って反応するのは、実際に当たっているから。特に過敏に反応するのは、自分に

自信がない部分だったり、肯定できていない部分だったりするから。


 仕事の経歴が短いのも、今パートナーに食べさせてもらっているのも事実。それがいいこ

と・悪いことの判断なく、単なる事実だと受け止めることが出来ていれば、サラリと聞き流

すことが出来る。でも自分でコンプレックスに思っているからそれが出来ない。結果、父親

の言葉一つで、自分を嫌な気持ちにさせてしまう。


 親のせいにするのはとても簡単だ。

「親の姿を見て育ってきたから自分はこんなダメな風になった。」

そう言えばそれ以上考えたり、自分で努力したりしなくて済む。周りも同情してくれ、自分

はこのままでいいんだと変に自己を肯定し始める。


 団塊世代である父は「高学歴・大企業・高収入」を未だによしとしている。父は高学歴で

ないため、世間一般の憧れにそぐえなかった自分を許せていない。それ故に、この3つを踏

襲しない私や私の兄弟、はたまた結婚相手にまで批判したり、自分の憧れに沿うよう求めて

くる。自分を育ててくれたことには感謝する。けど親は親であって自分は自分。どう頑張っ

ても父が求める期待には沿えないし、沿いたくない。


価値観の違う両親が結婚して私や兄弟が生まれたのだから、その価値観も異なることをさす

がに理解してほしい。が、きっと死んでもわからない。それが父なりの幸せであって、家族

や世間の幸せでもあると信じているから。


 家族間同士の価値観の押しつけ、特に親から子へは意図せずにしている。それが教育と言

えば言葉はいいが、自己満足を子どもで解決しようとしていることも度々ある。私の父親は

自分自身を認めないから、子どものことも一生認めないだろう。他人が認めても、父が自己

否定をしている限り、父は満たされない。


 けど、自分は自分を認めてあげようと思う。父親からずっと認めらてこなかった(褒めら

れたことがなかった)私には未だにハードルが高いが、子育てしながら子どもを認めるつい

でに、自分も認めてあげたい。親から譲り受けた負の連鎖は断ち切りたいなら、自分で断つ

しかない。親が出来てないからと言って自分も出来ないわけではない。ブログと同じで、時

間はかかってもやり続けることが大切なのだと思う。

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