子どもの自立を育てる環境~映画『みんなの学校』~
NHK番組プロフェッショナルで、プロの保育士を紹介していた回に、「インクルーシブ保育」という言葉を初めて聞いた。健常者だけでなく発達遅滞がある子どもも一緒に行う保育のことを指す。親からは自分の子どもの成長が遅れるから反対の声もあったという。
今回見た映画『みんなの学校』の舞台となっている大空小学校も、同様に療養を必要とする子どもが通っている。そこでは一般的な公立の学校と異なり、何らかの障害を持っている子どもが学年に10人はいるという。生徒が授業中に脱走すれば先生が追っかける。不登校もほっておかないで、近隣住民も協力して子どもを学校に通わせている。
自分の子どものことを考えれば、いい環境で育てたいのは親の願い。
でもいい環境って何?
中学進学に有利な教育を行っていること?
校区が裕福で、通っている子どもも裕福であること?
グローバル人材を輩出するための最新の教育カリキュラムがあること?
それのどれにも当てはまらないのがここの学校。むしろ学力的には他の学校に劣ると考えられるし、校区も通っている子どもの家庭も決して裕福には見えなかったし、バリバリの大阪弁で指導している。
けれど、そこにいる大人がしっかり叱る・褒めていた。
子どもだけでなく、新米の教師にも同じように遠慮することなく指導していた。いい学校ならいい先生というわけではない。カリキュラムがよくても部下の指導が後回しになっていたり、ついていけない教師は歓迎されない環境かもしれない。
結局子どもを教育する場である学校で大切なのは、教える中身よりも教える人が大事だ。
子どもは大人の言うことには従わないが、姿を見て育つ。
叱る・褒める姿を見て信頼できる大人か判断する。
子ども同士でもそれを行うようになる。
信頼できる大人・友達が周りにいることで孤独感を感じている子どもは安心する。
するとそこは居場所になる。
勉強が出来ようが出来まいが、居場所が出来れば、将来その子どもは自立出来る。
辛くなった時も帰れる場所があれば、また外でも頑張れるから。
親が子どもに一番望むことは自立。
自分の子どもが自立するためには、大人の表面的な希望捉われずに本質的に必要なことは何か考えたい。
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